逃避日記 113

虚無のまま動け

寝ていても虚無、起きていても虚無であるので一念発起して虚無のまま松の剪定をした。

途中眩暈もしていたが、あれだけ難攻不落と思っていた松の1本は、ものの2時間で凡その形を取り戻した。脳内の誰かが「やればできたことを、何故やらなかったんだ能無しが」と静かにささやいていた。暫く虚無のまま動く方が平らかに生きられて良いのかもしれない。

虚無のまま動いた

無心にという単語は眩暈と吐き気とその他諸々の雑多な不調により消し飛んだ。何も考えずに済んだかと言えば案外そうでもなく、虚ろの中にあれやこれやが想起されていく一番ダメな状態になってしまった。脚立から転倒すれば流石に虚無になって欲しくない何かまで虚無になってしまったかもしれない そう思い直すことにした。もう無理。誰か許してくれ。酒はもう許してくれない。